240320 賛成討論全文

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賛成の立場から討論を行いましたので、討論の全文を以下に掲載します。

 会派 そうせいと維新の菊地 格夫です。会派を代表して、議案第5号令和6年度秋田市一般会計予算の件について、賛成の立場から意見を申し上げます。

 少子高齢化の進展等を背景に、以前のような右肩上がりの財政拡大はもはや望めず、歳入面では中長期的に見て財政規模が縮小することは避けられません。その一方で、超高齢社会の到来などによって財政需要は増していきます。状況は一段と厳しく、いかにして限られた財源の範囲内で市民福祉の向上を図っていくのか、いよいよ正念場にあります。

 このようななかで、令和6年度予算編成においては、前年度に引き続き地方創生・人口減少対策に取り組むとともに市長公約事業及び「県都『あきた』創生プラン」に掲げた施策・事業を優先的かつ着実に推進するため、選択と集中による経営資源の最適配分などに努力されたものと拝察します。
 政策・事業の方向性とともに、財源が限られる中、最小の経費で最大の効果が得られるよう意を用いておられることを評価いたします。

 一方で、同予算総額は1,439億円という過去最大の規模となっておりますが、義務的経費約24億円の増や市民税減収補填分が「予算総額押し上げ」の主たる要因となっており、依然として予算の自由度・弾力性に課題があることを指摘いたします。

 また、財務体質としての大きな課題は、予算編成における恒常的とも言える「収支不足」と、これに伴う主要2基金の先細りです。今後、長期にわたって基金残高は減少傾向が続くため、不測の事態に適切に対応できない懸念があります。従って、2分の1ルールを超える積み戻しも検討すべきと考えます。 政策的経費も余裕度のない状態が続いているため、大規模な投資を伴う事業を行う場合は、慎重な対応が求められるものと考えます。

 そこで、本予算の適正な執行を期する見地から、特段の配慮をいただきたい点について、以下、申し上げます。

1つ目は、財政ガバナンスの強化について
 収支における健全性、経常収支における弾力性、主要2基金における安定性、そして地方債残高における財政負担の適正化。特にこの4つの視点に立った持続可能な財政運営への取組。また、収入未済額対策の強化などによる収入率の向上、一般財源の確保等への取組みとともに、行政経営的視点におけるマネジメントの強化 であります。
2つ目は、政策事業の進行管理について
「創生プラン」と「改革プラン」を両輪とする政策・事業の進行管理及び評価・検証の徹底 であります。
3つ目は、災害対策について
 昨年の大雨災害被災者の生活再建への支援強化並びに防災・減災対策の推進と、市民の防災リテラシーの向上 であります。
4つ目は、住民力・地域力について
 住民自治を象徴する都市内地域分権の仕組みの深化並びに市政各分野との連携・協働活動の強化と、住民力による地域づくりの推進 であります。
5つ目は、リスクマネジメントについて
 内部統制機能の充実とリスクマネジメントの徹底による、適正な職務の遂行と市政に対する市民の信頼保持 であります。
6つ目は、物価高騰対策について
 国の臨時交付金を活用するなど、機動的・効果的な物価高騰対策の推進 であります。
7つ目は、子ども政策の節目にあたって
 子どもまんなか社会を実現するための今後の子ども政策の基本理念の普及及び啓発 であります。
最後に、職員の能力が生かされる職場環境づくりについて
 秋田市プロジェクトチーム規定及び職員提案制度の積極的運用による、職員の創意とスキルが生かされた政策・業務改善や職場の活性化の推進そして、役職定年等、新定年制の実施に伴う「高齢期職員」の方々の経験やスキルが生かされかつ、働きやすい明るい職場環境作りへの配慮 であります。

 以上について、全庁をあげた取組に期待いたします。

 以上のほか、審査過程において我が会派の議員が述べた意見を尊重され、業務を執行されるよう要望し、賛成討論とします。