代表質問をしましたので、市長答弁も含め全文を以下に掲載します。
代表質問
会派そうせいと維新の菊地 格夫です。このたびは代表質問の機会をいただき、ありがとうございます。昨年春の選挙では、私の家族や友人、県庁の元同僚をはじめ、たくさんの人から応援していただき、また多くの市民の皆様からの御支援、御支持をいただきました。この場をお借りしまして、深く御礼と感謝申し上げます。
また、当会派は、人間的に魅力あふれる素晴らしい仲間がおり、そして毎日のように議論を交わし切磋琢磨できる場所であり、そうせいと維新にいて本当に良かったといつも思っています。あらためて会派そうせいと維新のメンバーに感謝申し上げます
さて、私が議員になった令和5年5月には、奇しくも地方自治法の一部を改正する法律の公布及び施行がなされ、地方議会の役割及び議員の職務等の明確化等に関する事項が整理されました。特に、地方自治法第89条には「議会あるいは議員とは何であるか」について複数項追加され、第3項には、「普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない」と議員の役割が明確化されました。すなわち、二元代表制の一翼を担うものとして、地方公共団体の一部ではなく、それと並び立ち、意思決定を担い、検査・調査する権限を行使する、そのように重みを自覚しなければならない存在となったわけであります
また、これまで議員の役割が明確に言語化されていない中、明治22年の市制施行から今まで先人の議員達が脈々と歴史と伝統を築き上げ、積み上げてきたからこそ今の議会があります。そのことに心から敬意を表し、それを引き継ぐ立場に加われたことに大きな喜びを感じています
議員とは、決して名誉職などではなく、地方公共団体の重要な意思決定を担っていくものであります。その自覚を持ち、議員として誠実にその職務を行ってまいります。
今般、市政を取り巻く環境は課題が山積しており、それらを踏まえて市政の根幹に関わる喫緊の課題を中心に触れさせていただきます。
それでは、通告に従い、質問させていただきます。
1 市長の政治姿勢について であります。
災害の少ない地域とされていた本市ですが、昨年の豪雨災害で、市長をはじめ本市職員のたゆまぬ対応のおかげで復旧は、少しずつ進んでいると感じます。年始早々の能登半島地震の被害を目の当たりにして、行政が行う災害対策が、住みたいまちの魅力に直結する重要な要素のひとつであると再認識しました。
また、昨年11月に秋田市の人口が30万人を割り込んだというニュースもありました。災害対策と並び、人口減少あるいは少子化対策も喫緊の課題です。数年後には、事業所税の廃止に伴う市税やそのほかの税収の減少が予想され、行政サービスの低下を招く恐れが懸念されています。そこで、お伺いします。
(1) 厳しい財政状況の中、市長は、身の丈に合った政策を実施していくとしているが、今任期の締めくくりの年として、どのように市政運営に取り組んでいくのか
去る2月13日の知事との会談では、外旭川まちづくり事業全体に対しては折り合えなかったという報道がありました。事業の実現性や具体性について指摘があり、今後も協議を続けていくとしていますが、そこでお伺いします。
(2) 外旭川地区のまちづくりについて、今後、県と協議すべき課題は何か
次に 2 令和6年度当初予算案及び財政運営についてであります。
地方自治法の第2条には「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果をあげるようにしなければならない」と記されています。最大の効果をあげるためには、住民が何を望んでいるのかを丁寧にリサーチし、それに対応していく必要があることを意味します。最小の経費というのは、できるだけ安いコストでサービスを提供できる方法を考えること、そして、受益と負担の差を最大にすることです。
自治体は民間企業と違い、売上ではなく、税収が歳入となります。企業の売上は、提供したサービスの質が良ければすぐに上がりますが、自治体の税収は提供したサービスの良し悪しで、急に増減したりはしません。そこが、行政の舵取りの難しいところでもありますし、逆に首長の、手腕の見せ所でもあります。そこで、お伺いします。
(1) 厳しい財政状況の中、当初予算案の編成に当たっては、どのような考えに基づき予算を配分したのか
財政の安定性を象徴する主要2基金の現状は危機的であります。財政調整基金残高が来年度末で約1.5億円と見込まれ、さらに本市中・長期財政見通しにおいて、この先、基金残高が漸減し続ける見通しとされます。これは、持続可能な財政基盤作りを進める上で、まさに黄信号。そして、年度間の財源調整や大規模災害等などの不測の事態が発生した場合に、これに対応できない状態に陥りかねないことを示しています。
よって、4つの視点、収支における健全性、経常収支における弾力性、主要2基金における安定性、そして地方債残高における財政負担の適正化。本市の財政構造に照らして、特にこの4つの視点に立った持続可能な財政運営が急務ではないかと考えます。そこで、お伺いします。
(2) 昨年策定した秋田市中・長期財政見通しにおいては、今後、主要2基金の残高が大幅に減少する見込みとしているが、歳入・歳出の構造改革を含め、どのように財政運営を行っていくのか
昨年の9月定例会での答弁において、法定外税である宿泊税の導入について検討していくとしておりますが、人口減により減収が見込まれる事業所税を補填し、こどもまんなか社会実現の財源の確保としても導入を急ぐべきと考えます。
洋上風力発電関連産業の関係者らにより、県内のホテルや旅館への長期ビジネス滞在が増えており、本市を始め県内のホテル需要が伸びています。本県沖の洋上風力発電事業の計画から向こう10年程度は関連事業者の利用が見込まれます。このような機会を掴むという意味で、お伺いします。
(3) 新規財源の確保に向けて、宿泊税を導入する考えはないか
次に 3 災害対応について であります。
昨年の豪雨災害における被災者を取り巻く状況は、十人十色と言えます。様々な状況が見受けられ、きめ細かい対応が、これまでもそしてこれからも求められています。地域支え合いセンターが開設され、そのスタッフや本市社会福祉協議会スタッフが非常に頑張って対応していますが、任せきりにせずより強固な連携体制を構築することで「災害に強い秋田市」という称号を得られるチャンスになると考えています。そこで、お伺いします。
(1) 昨年の豪雨災害における被災者の生活再建は、どの程度進んでいると認識しているのか、また、このたびの災害対応の経験から見えてきた課題は何か
緊急的に避難する指定避難所は、長期間の滞在には適さないため、ホテルなどに移動する2次避難場所の確保が検討されていますが、2次的な避難について、別の観点から、生活音が必ず出る存在への配慮も必要と考えます。授乳やおむつの交換、泣き声を発する乳幼児や子ども連れの家族などだけが過ごせる場所を指定しておく必要があると考えます。また赤ちゃん用のミルク、おむつ、生理用品等衛生用品の備蓄も併せて行う必要があります。そこで、お伺いします。
(2) 今後の災害に備え、本市でもホテルなどの二次避難所の確保などを検討するとしているが、それと並行し、妊産婦や乳幼児のいる家庭、災害時要援護者等に配慮した二次的な避難所として、市有施設の使用を想定した準備を進めるべきではないか
昨年の9月定例会での答弁においてNPO等の民間団体や組織が活動しやすい環境の整備、ニーズ把握や各団体間の調整などを行う体制の在り方について検証していくとしています。昨年の豪雨災害での支援実績のあるNPO団体や組織、ボランティア活動団体、町内会などがお互いの経験を共有するような動きが見られます。形骸化するような協議の場を設けるのではなく、具体的な災害時の動きや連携の仕方を議論するような連携体制の構築が急務と言えます。そこで、お伺いします。
(3) 今後の災害対応に係る喫緊の課題は、民間団体との連携体制の構築であると考えるが、本市の認識はどうか
次に 4 人口減少対策について であります。
本市でもこれまでに多岐に渡る人口減少対策の取組が進められてきました。昨今、地方創生における人口減少対策について、女性や若者の視点が欠けていたという認識が語られています。若者や子育て世代に魅力ある「働く場づくり」、郷土愛やシビックプライドを育み地域の担い手となる「人づくり」、関係人口の創出や移住定住へのきめ細かな相談対応を始め関係団体や企業との連携による「きっかけづくり」、これらの視点が今後重要になってくるのではないかと考えます。そこで、お伺いします。
(1) 若者や女性に選ばれる秋田市を目指し、今後、どのような施策に重点を置いて取り組んでいくのか
これまで移住希望者向けのアンケートは行われているようですが、移住を希望する人は、他よりも良い制度や施設等の有無が考え方の中心になりがちで、それでは本来の本市の魅力は測れないと考えます。本市の魅力は、いつか秋田に戻ってきたいと思いながら転出する人や、希望したわけではないが仕事や進学で転入する人たちの意見の中にも同じように存在すると考えます。そのため、簡単なアンケートなどから、なるべく多くの転出入者の意見を拾うべきと考えます。そこで、お伺いします。
(2) 転出入者に対するアンケートを実施することにより、本市の魅力や課題を調査し、施策に反映させるべきと考えるがどうか
本市のふるさと納税では、すでにいくつか体験型の返礼品を扱っています。本市には複数のプロスポーツチームがあり、所属するスポーツ選手は、その同じ種目の競技者からは憧れであり、いつか同じ舞台に立ってみたいと思わせる存在でもあります。このようなスポーツ選手との交流、特に練習の見学や参加、例えばバスケットやサッカーのパス、バレーのサーブ、バドミントンのスマッシュを受けてみるなどの競技体験は、プロスポーツチームのファンにとっては垂涎ものだと思います。そこで、お伺いします。
(3) 関係人口の創出・拡大が本市の魅力発信につながると考えることから、ふるさと納税における体験型の返礼品を充実させるべきと考えるがどうか
本市ではこれまで様々な媒体で、観光情報の発信をしてきましたが、インバウンドや観光客等の関係人口の増加は伸び悩んでいます。青森県では、中国のSNSであるウェイボーへのアカウントを開設してから、こまめな情報発信と受け答えが身を結び、登録者数が県民人口を超え、また年々中国からの観光客が増えていると言います。中国では、「月曜から夜更かし」という日本のエンターテイメント番組が超人気だそうです。これまでのような日本の文化や観光の情報だけではなく、ローカルな話題を中心に、様々な情報を検索し、来日する外国人が増えているのです。そこで、お伺いします。
(4) 市の文化や施設に関する情報を発信するため、中国のSNSであるウェイボーに本市のアカウントを開設したり、各種SNS等において多言語に対応してはどうか
次に 5 自治体DXについて であります
2021年に策定され、昨年改訂された秋田市デジタル化推進計画には、独自のDX施策を取り込んだ7つの取組があり「デジタル市役所」として新たな行政サービスを提供し、行政手続の簡素化や行政運営の効率化などによる業務改革を進めており、来年度には次期推進計画として改定される予定であります。そこで、お伺いします。
(1) 秋田市デジタル化推進計画における各取組の進捗状況はどうか、また、同計画の推進に当たっての課題は何か
これまでに、オープンデータの利活用について、様々な取組が行なわれています。本市にはオープンデータを利活用する民間団体が少ないため、そのような民間団体との連携強化はもちろんのこと、地域の課題をとらえて調査を行い、結果などをデータ化してオープンソースにするような民間団体を育てる事業を行うべきと考えます。そこで、お伺いします。
(2) オープンデータの利活用を促進するため、民間団体の育成や民間団体との連携をより一層強化すべきではないか
各コミュニティセンターの利用手続きに関して、電話による予約しか対応しておらず、なかには訪問して利用申請書の手書きが必要な所もあり、DX対応が進んでいない状況であります。施設職員のデジタル化への対応が難しいことが、オンライン化が進んでいない理由と思われますが、住みやすいまちづくりの観点からも、公共施設利用手続のパソコンやスマートフォンを使ったオンラインによる予約システムの導入は、急務と考えます。そこで、お伺いします。
(3) 各コミュニティセンターの利用について、市民サービスセンターと同様に公共施設案内・予約システムで予約できるようにすべきと考えるがどうか
次に 6 市民の主体的な活動の推進について であります。
都市内地域分権について、本市は過去に非常に明確に整理しています。昨年の豪雨災害で、避難指示や被災後の行政情報の的確な配信などができていた町内会と、そうでない所があったことや、全国的に町内会が消滅している地域が出てきていること、町内会活動を担う人材が、定年延長に伴い高齢化していくことからも、今一度住民自治活動を見返すべきと考えます。そこで、お伺いします。
(1) 「地域づくり組織」、「地区づくり組織」及び「町内会等」の三層構造を生かした住民自治活動の強化を図るため、市として何らかの支援を行うべきではないか
本市では、町内会向けの活動に対して助成金を出しており、その中から町民の活動に対して、ボランティア活動保険等への支出が可能であります。しかし、保険への支出が可能なことを知らない、掛け捨ての保険を支払うメリットを感じていない、などの理由から、ボランティア活動保険の利用はほとんどないと考えられます。町内会の活動は住民のボランティアにより成立していますが、怪我のリスクがある活動もあります。既存の町内会への助成金とは別に、保険金額の全額もしくは一部を助成する必要があると考えます。そこで、お伺いします。
(2) 町内会活動等の自治活動を安心安全に行える環境を整備することにより、活動に参加する住民が増加すると考えることから、ボランティア活動保険の保険料に対して補助を行ってはどうか
次に 7 福祉行政について であります。
(1) 第4次秋田市地域福祉計画について
同計画はその期間の終了年となり、社会福祉制度の変化を踏まえ、再び見直しを行う年となりました。4つの基本目標と7つの施策を横断する2事業が重点事業として位置付けられています。特に災害要援護者の避難支援体制の構築を図る目標を掲げていますが、昨年の豪雨災害で個別避難支援プランの見直しが必要になった方も多かったと推測します。そこで、お伺いします。
ア 同計画の根幹をなす重点事業として掲げた「包括的支援体制の整備」及び「災害に備えた支え合いの地域づくり」の取組状況はどうか、また、今後の課題についてどのように捉えているのか
本市では、健康づくり・生きがいづくりについて様々な支援スキームを持っています。同計画においても、7つの施策の1つである「利用者の立場に立った福祉サービスの提供」として、健康づくり・生きがいづくり支援事業を位置付けています。福祉サービスの一環として病気や介護が必要になる前の段階で、何を支援していくかが重要になってくると考えます。そこで、お伺いします。
イ 健康づくり・生きがいづくり支援事業について、これまでの成果と課題を踏まえ、今後、どのように取り組んでいくのか
人口構造の変化により、さまざまな問題が発生すると懸念される2025年には、約800万人いる全ての「団塊の世代」と呼ばれる年齢の方が75歳以上になり、国民の5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。後期高齢者を支えるために、社会保障、主に医療・介護、年金などの負担が増大し、社会全体に影響がもたらされると考えられています。医療や介護の分野においても、病気や介護が必要になってからの研究が中心であり、そうなる前の段階で何ができるかについては、さまざまな議論が交わされてはいるものの、エビデンスはまだ不足している状態です。問題が生じる前に着目して、問題を未然に防ぐことに資する施策を打ち出していくためのエビデンスの蓄積が重要と考えます。そこで、お伺いします。
(2) 社会保障給付の適正化・効率化のため、データ検証を行う団体と包括連携協定を締結し、予防医学分野におけるデータ検証を行ってはどうか
次に 8 こどもまんなか社会の実現について であります。
昨年末に「こども大綱」が閣議決定され、それに基づき、こども家庭庁のリーダーシップの下、政府全体のこども政策を推進するため、こどもまんなか社会の実現に向けて「こども未来戦略」が策定されました。さらに、こども未来戦略の中で加速化プランが設定され、社会の意識改革が求められています。
市長は笑顔あふれるこどものまち宣言を行い、国が掲げる「こどもまんなか」の趣旨に賛同し、その応援サポーターとして、市民の笑顔があふれるまちづくりに取組む、と意気込みを示されました。すべてのこどもの権利を尊重し、幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現を目指す観点から、お伺いします。
(1) 社会の構造改革ともいえるこどもまんなか社会実現のためには、子どもや若者、子育て世代に優しい社会づくりのための意識改革が必要と考えるが、社会全体で子どもや子育て世代を応援する市民意識の醸成に向け、どのように取り組んでいくのか
加速化プランにおいて実施する具体的な施策のうち、全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充の中で、家庭養育環境を確保するため、里親委託等の推進と里親等委託率の向上が挙げられています。本県では、週末だけ児童養護施設にいるこどもを受け入れる週末里親になるにも、養育里親になるにも3日間の里親研修に参加する必要があります。そこで、お伺いします。
(2) 市職員が、週末里親や養育里親となるための里親研修に参加できるよう、年3日まで有給休暇を取得できる制度を導入してはどうか
里親の研修や制度の普及啓発については、現在県が全県を主管しており、本市には里親について所管する部署がない状態であります。県内には約210人の社会的養護が必要な子どもがおり、4か所の児童養護施設に加え乳児院が存在します。そこで、お伺いします。
(3) 県内にある4か所の児童養護施設のうち、規模の大きな2施設が本市にあることから、県と連携しながら、里親制度の普及啓発に力を入れてはどうか
本県における市町村図書館の住民1人当たり貸出冊数が、過去に全国最下位になったこともあり、幼少期に本をたくさん読む経験や習慣をつけることが重要だと考えます。
本県は冬季間の積雪により、除排雪の問題から屋外の公園や施設で遊ぶことが難しくなります。就学前の子どもがいる家庭から、冬季に寒さを気にせず思いっきり走ったり飛び跳ねたり運動ができるような施設を望む声があります。これらのことから、遊び場としての機能と、学習機能を高めるような手作業を行う学び場、さらに子ども用に配架が工夫された図書館が、ひとつの場所にまとまったような複合施設が必要と考えます。そこで、お伺いします。
(4) 冬季における子どもの公共の遊び場を確保するため、中央図書館明徳館の建て替えを行う際には、全天候型の遊戯施設や児童教育施設の機能を備えた図書館とすることを検討してはどうか
高齢者コインバス事業の利用者は、専用ICカードの利用に切り替えてから増えており、温室効果ガス排出抑制の観点からも、シニア世代の移住促進の観点からも、良い事業と言えます。
翻って、高校生もバスを一定数定期的に利用する世代であります。しかし、バス運賃の高さから、バス利用をやめ、自家用車による送迎を行う家庭が増えています。このことは、高校周辺での渋滞、無断駐車による問題などを発生させています。今後のこども政策において切れ目ない包括的支援の実現が謳われており、高校生への通学支援も必要と考えます。そこで、お伺いします。
(5) 登下校時の送迎による高校周辺の渋滞緩和や、小・中学生のバス通学を支援するため、シニアアキカと同様に1乗車につき100円で乗車できる学生向けの制度を導入してはどうか
次に 9 環境政策について、であります。
(1)脱炭素社会の実現について
「誰一人取り残さない」持続可能で多様な社会を実現するために持続可能な開発目標いわゆるSDGsや、政府の行なった「2050年カーボンニュートラル宣言」がきっかけとなり、昨年2月において、本市は2050年までに市内の二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言し、具体的な取り組みを盛り込んだ「秋田市地球温暖化対策実行計画」に基づき、目標達成に向けて取り組んでいます。そこで重要になるのが、私たち一人ひとりの行動を変えることと、地域一丸となった取り組みであります。そこで、お伺いします。
ア 本市が「ゼロカーボンシティ宣言」を行ってから1年となるが、脱炭素社会の実現に向けて、これまでどのように取り組んできたのか、また、取組から見えてきた課題に対し、今後、どのように対応していくのか
(2) 生物多様性に配慮した魅力あるまちづくりについて
2022年に行われた生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、2030年までに自然の損失を止めてプラスに転じる「ネイチャーポジティブ」の達成を目指し、陸と海の30%保全(30by30)を含めた23の目標が策定されました。また、昨年の気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)では、自然や持続可能な農業が注目され、気候と生物多様性の目標を同時に達成するための資金投入や取組が発表されています。昨今の世界的な傾向として、温室効果ガスの排出削減のみにとどまらず、気候危機へ包括的に取り組むことが挙げられます。今私たちに求められるのは、変化を恐れずに勇気を持って行動するためのリーダーシップではないでしょうか。そこで、お伺いします。
ア 本市も生物多様性自治体ネットワークへ参加してはどうか
イ 本市でもネイチャーポジティブ宣言をしてはどうか
ウ 千秋公園を30by30における自然共生サイトとして申請してはどうか
昨年の熊による人身被害は全国的に増加し、特に本県では過去最多を記録しました。背景には市街地近くの森林で育った「アーバンベア」と呼ばれる都市型のクマが増えている事情があります。クマと人との生活圏が近接し、遭遇リスクが高まっています。そこで、お伺いします。
(3) 安心安全に自然に触れる機会を創出するため、熊やカモシカ等が出没したエリアに近い公園等において、野生動物等の侵入を防止する電気柵や監視カメラ等を設置してはどうか
今や飲料の多くはペットボトルで販売されております。使用済みのペットボトルはリサイクルされますが、一般的には、粉砕し繊維にして、再度加熱加工されて利用されます。それとは別に、PETボトルをリサイクルして再びPETボトルとして使用することをボトルtoボトルもしくは水平リサイクルと呼び、通常のリサイクル工程よりも温室効果ガスを63%も削減できる企業もあります。そこで、お伺いします。
(4) 秋田市地球温暖化対策実行計画において、本市の役割として定めた温室効果ガスの排出抑制に係る率先した取組を実施するため、ペットボトルの水平リサイクルを行ってはどうか
昨年、東京大学大学院などの研究者による調査において、本市の水道水からネオニコチノイド系農薬が欧州連合の飲料水の規制値の30倍にあたる量が検出されたことで、来年度から本市の水道水の水質検査の項目に加える方向で検討しています。残留農薬が河川に流入する条件として、農薬散布時期や、より上流の地域の降雨の有無と水量が関係することから、調査回数と調査地点数がより多い河川の水質調査でも行うのがよいと考えます。そこで、お伺いします。
(5) 市民の不安を払拭するため、毎年度行う環境調査の一環として、河川におけるネオニコチノイド系農薬の調査を実施してはどうか
次に 10 洋上風力発電と産業振興について であります。
現在、本市では今後10年間のエネルギー施策の方向性等を示す「( 仮称) 秋田市新エネルギービジョン」の策定を進めており、3 つの基本方針を定め、秋田の優位性を生かした、産業基盤の強化に取り組んでいくとしています。現在国内に風車を製造する企業はありませんが、風車は2万点の部品が必要とされる裾野の広い製品であり、本市も電子機器、機械、各種部品などをはじめ裾野の広い周辺産業の育成を目指しているところであり、製造技術の移転やノウハウの蓄積が進めば大きな武器になると考えます。
洋上風力発電は、より大きなブレードを使うことができ、一枚当たり長さ 35~45mにもなるため、中国等での製造が主流です。しかし、アジア新興国の人件費が上昇していることから日本にも製造拠点を作るチャンスはあるのではないかと考えます。そこで、お伺いします。
(1) 風車の大型部品を製造する海外企業を誘致するなど、インパクトのある新エネルギー関連の一大産業拠点づくりをしてはどうか
「( 仮称) 秋田市新エネルギービジョン」において、風力発電関連産業の振興が施策のひとつとして掲げられ、 市民や学生の風力発電事業に対する理解促進に努めるとしています。洋上風力発電事業者は、CSRいわゆる企業の社会的責任のため、社会をよくするために行動することが求められています。地域貢献や環境保全など持続可能性のある取組を企画する本市の学生や若手起業家などと、資金や物資、取組へのアドバイスなどの支援を行う事業者とを、本市がつなぐことができると考えます。そこで、お伺いします。
(2) 若者の様々なチャレンジや取組を支援するため、洋上風力発電事業者とマッチングさせる事業を行ってはどうか
最後に 11 教育行政について であります
精神疾患で休職した公立学校教員が2022年度、初めて6,000人を超え、さらに、教員の精神疾患の割合が一般の労働者よりも高くなりました。教員は、児童生徒、管理職、同僚だけではなく、保護者、地域住民と、利害関係者が多く、それらの要求が複雑に絡み合っています。休職者の増加は、現場の教員への負担を増やし、さらなる休職者を産みます。将来職場として選ばれるためにも、精神疾患の問題の解決は、より重要になってきます。
休職者の教員全体に占める割合は若い年代ほど高く、20代は過去最高になりました。このことは長時間労働に加え公務の多忙化、業務負担量の偏り、複雑化する生徒指導など複数の要因があり、学校現場の業務改善を確実に図っていくことが重要かつ喫緊の課題であります。そこで、お伺いします。
(1) 教職員のメンタルヘルス不調への対策及び働き方改革の実態と今後の対応はどうか
国は将来の社会機能の維持に向け、子ども・子育て政策の抜本的な強化を図り、児童手当の拡充や高等教育の負担軽減などを実施するとともに、こどもの人権擁護の法整備や教育の質の向上などの支援をしていく方針であります。こども未来戦略において今後3年間の集中的な取り組みとして加速化プランが示され、こども・若者が権利の主体者であることの周知について、子ども自身の意識改革も含め、単なる精神論としての周知ではなく、教育の場においても、こども基本法の趣旨や内容について理解を深めるための情報提供や啓発を徹底して行う必要があります。そこで、お伺いします。
(2) こどもまんなか社会の理念を学校教育施策において、どのように反映していくべきと考えているのか
私の質問は以上となりますが、この3月をもって、大きな節目を迎えられる職員の皆様の、これまでの御尽力に、心より敬意を表させていただきます。おそらく皆様自身、市職員としてこれまでの時間を振り返えっていることと思いますが、皆様が真摯に市政運営に取り組んできてくださったおかげで、今の本市があるのだと思います。本当にありがとうございました。
今後も市役所に残っていただき、その知識と経験を生かし、若き職員の良きメンターとなり、新たな部署でご活躍されることを御祈念申し上げます。
御清聴ありがとうございました。
市長答弁
1 市長の政治姿勢について
(1)厳しい財政状況の中、市長は、身の丈に合った政策を実施していくとしているが、今任期の締めくくりの年として、どのように市政運営に取り組んでいくのか
(答弁要旨)
今任期は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中で、「コロナ禍、市民の命とくらしを守り抜く!」を公約のスローガンに掲げてスタートしました。これまでに、10項目47プラン全てに着手し、「小・中・高等学校について、全普通教室のエアコン設置と1人1台のタブレット配付」等が達成済みであるほか、「秋田沖での洋上風力発電の実現」などほとんどのプランについても着実に進捗しているところであり、引き続き公約の総仕上げに向けて取組を進めてまいります。
こうした中、まちの顔である中心市街地のさらなる活性化とにぎわいの創出と併せ、外旭川地区において、人口減少下にあっても持続可能な社会基盤の構築と交流人口の拡大による新しい活力や魅力づくりを目的とした、官民連携による将来を見据えたまちづくりのモデル地区整備を進めたいと考えております。
また、昨年の豪雨災害を受けて、これまで以上に災害に強いまちづくりを進め、引き続き「市民の命とくらしを守り抜く」強い決意を新たにしているところであり、被災された方の生活再建に向けた支援を継続するとともに、今後の備えとして、治水対策や災害発生時の救援物資の拡充などに意を用いてまいります。
1 市長の政治姿勢について
(2)外川地区のまちづくりについて、今後、県と協議すべき課題は何か
(答弁要旨)
県からの指摘事項などについては、事務レベルにおいて、その内容を十分に検討し、本市としての見解を県側に示すとともに、必要に応じて計画の内容を修正するなど、これまで適宜対応してきたところであります。
知事からは、実現性や必要性などを疑問視する指摘もいただいておりますが、民間事業者の知見や資金等を活用して、卸売市場の再整備と新スタジアムならびに民間施設の整備を一体的に進める外旭川地区のまちづくりについて、理解を得ることが最大の課題であると認識しております。
2 令和6年度当初予算案及び財政運営について
(1)厳しい財政状況の中、当初予算案の編成に当たっては、どのような考えに基づき予算を配分したのか
(答弁要旨)
令和6年度当初予算は、安全・安心で災害に強いまちづくりや長期化する物価高への対策、また市政の最重要課題である人口減少対策と、人口減少下にあっても持続可能な社会の実現に向けた施策を推進する予算として編成いたしました。
災害への備えとしては、内水氾濫対策や古川流域治水対策、給水車の購入および備蓄品の充実などに取り組むほか、物価高対策としては、学校給食費の改定に伴う保護者負担の軽減や、商店街等が実施する販売促進事業への支援などを行うこととしております。
さらに、昨年の豪雨による被災者の生活再建に向け、地域支え合いセンターの運営や住宅の応急修理又は貸与に関する支援など被災者支援にも予算を重点配分いたしました。
このほか、洋上風力発電など再生可能エネルギ一関連企業の誘致や人材育成支援、子ども福祉医療の拡充など、秋田市がより住みやすく、将来に魅力を持ち続けるために必要な施策を推進することとしております。
これらの事業等の財源捻出に当たっては、既存事業の見直し・廃止を行い、限られた財源の効果的な活用に意を用いて予算を編成したところであります。
2 令和6年度当初予算案及び財政運営について
(2)昨年策定した秋田市中・長期財政見通しにおいては、今後、主要2基金の残高が大幅に減少する見込みとしているが、歳入・歳出の構造改革を含め、どのように財政運営を行っていくのか
(答弁要旨)
人口減少下において、今後、歳入規模が縮小することが見込まれる中にあって、歳入規模に見合った歳出構造を、引き続き、堅持していく必要があります。
そのため、本市の最重要課題である人口減少対策や産業振興等に予算を重点配分し、税収増につなげるとともに、新規財源の確保等を図るほか、市民サービスの水準を維持しつつ、事業の優先順位や効果の十分な検証のもと、スクラップ・アンド・ビルドをこれまで以上に徹底し、財源捻出と歳出抑制を図る必要があると考えております。
これらの取組により、基金の取崩しに過度に依存しない財政構造を維持するとともに、社会情勢の変化や各種災害などに備え、主要2基金残高の復元を図り、持続可能な財政運営に努めてまいります。
2 令和6年度当初予算案及び財政運営について
(3)新規財源の確保に向けて、宿泊税を導入する考えはないか
(答弁要旨)
宿泊税は、本市の観光振興のために効果的な財源と考えており、現在、先進自治体から、導入目的や作業工程などの情報収集を行っているところであります。
令和6年度においては、有識者や宿泊事業者等による協議を行うなど、引き続き、導入に向けた検討を進めてまいります。
3 災害対応について
(1) 昨年の豪雨災害における被災者の生活再建は、どの程度進んでいると認識しているのか、また、このたびの災害対応の経験から見えてきた課題は何か
(答弁要旨)
被災者の生活再建については、各種支援制度を利用し生活再建の目途がついた被災者はいるものの、未だ目途が立っていない被災者も一定数いるものと認識しており、今後も継続的に支援していく必要があると考えております。
また、このたびの災害対応の経験により、初動から被災者支援に至るまで、避難情報等の発令、避難所の開設・運営、被害調査や相談窓口の体制、災害ケースマネジメント等が課題と認識しており、これらを検証して今後の災害対応に活かしてまいります。
3災害対応について
(2)今後の災害に備え、本市でもホテルなどの二次避難所の確保などを検討するとしているが、それと並行し、妊産婦や乳幼児のいる家庭、災害時要援護者等に配慮した二次的な避難所として、市有施設の使用を想定した準備を進めるべきではないか
(答弁要旨)
本市では、妊産婦などの要配慮者が避難所において集団生活が困難である場合の応急的な措置として、避難所の和室などの区画されたスペースを優先的に提供することとしております。
さらに、良好な生活環境が必要な要配慮者の避難所を確保するため、旅館ホテル等の業界団体と協定を締結しているところであります。
このたびの能登半島地震を踏まえ、二次的な避難等に関する対応について、地域防災計画への反映を含め、関係機関等と協議してまいります。
3 災害対応について
(3)今後の災害対応に係る喫緊の課題は、民間団体との連携体制の構築であると考えるが、本市の認識はどうか
(答弁要旨)
このたびの豪雨災害では、NPO法人や自主防災組織などが、発災後から被災地域で様々な支援活動を行っており、本市の災害復旧において大きな役割を担っていただいていたものと認識しております。
このことから、各民間団体との連携体制の構築が重要であると捉え、被災者ニーズの共有など、連携のあり方について検証しており、今年度末に一定の方向性を示したいと考えております。
4人口減少対策について
(1)若者や女性に選ばれる秋田市を目指し、今後、どのような施策に重点を置いて取り組んでいくのか
(答弁要旨)
若者や女性に選ばれるまちであるためには、安定した経済基盤を前提とした将来の見通しを持つことができ、夢や希望を叶えられる環境が整っていることが重要ととらえ、学びや就職・結婚・出産・子育てなど各ライフステージに合わせた切れ目のない施策展開に努めてきたところです。
今後は、若い世代、とりわけ女性がやりがいを持ち、キャリアを生かせる雇用の場やビジネスチャンスを得られ起業できる環境の創出を図り、チャレンジできる環境を充実させていきたいと考えております。
加えて、中心市街地のにぎわい創出や持続可能な公共交通の実現など、まちの活力や魅力向上につながる施策も展開し、住み続けたいと思えるような、若者にとって魅力あるまちづくりに取り組んでまいります。
4 人口減少対策について
(2)転出入者に対するアンケートを実施することにより、本市の魅力や課題を調査し、施策に反映させるべきと考えるがどうか
(答弁要旨)
本市では、移住補助制度等を活用し本市に移住した方に対するアンケート調査や、移住者交流会において、秋田市暮らしに関する要望や意見を聞き取りしております。こうした意見の中には事業のヒントになったものもあり、最近では、「子育てを通じて交流の輪を広げたい」との意見を参考に、地域おこし協力隊が子育て世帯が交流するイベント「あきたマママルシェ」を開催しております。
一方、本市を転出する方の転出理由や本市での暮らしで感じた課題を把握することは、新たな移住・定住の施策を考える上で参考になると捉えており、今後、転出者に対するアンケートの実施について検討してまいります。
4 人口減少対策について
(3) 関係人口の創出・拡大が本市の魅力発信につながると考えることから、ふるさと納税における体験型の返礼品を充実させるべきと考えるがどうか
(答弁要旨)
体験型の返礼品は全国的に増加傾向にあり、本市では、あきた舞妓とまち歩きなどを提供しているほか、新たに大森山動物園の体験メニューなども検討しているところです。
ふるさと納税は関係人口の創出・拡大に有効であり、とりわけ体験型の返礼品は、寄附者が本市を訪問するきっかけとなり、体験を通じた本市の魅力発信が期待できることから、体験型の返礼品を提供する事業者の掘り起こしや体験メニューの開拓により、その充実を図ってまいります。
4 人口減少対策について
(4) 市の文化や施設に関する情報を発信するため、中国のSNSであるウェイボーに本市のアカウントを開設したり、各種SNS等において多言語に対応してはどうか
(答弁要旨)
本市では、各種SNS等でさまざまな情報を発言しており、台湾や中国などに向けては、県が開設しているウェイボーやフェイスブックなどを積極的に活用し、現地言語による情報発信を行っております。
本市独自のアカウント開設やSNSの多言語化については、現時点では考えておりませんが、引き続き、県と連携するなど、効果的な魅力発信に努めてまいります。
5自治体DXについて
(1)秋田市デジタル化推進計画における各取組の進捗状況はどうか、また、同計画の推進に当たっての課題は何か
(答弁要旨)
令和3年6月に策定したデジタル化推進計画に掲げる個別施策として、令和4年度までに47の事業を実施しており、令和5年度には残りの事業についても予定通り実施しております。
また、近年はデジタル環境の変革が急に進んでおり、これに対応できる職員の育成が必須となっているほか、デジタル化による恩恵を享受できるよう、市民一人ひとりのデジタルリテラシーの向上も必要となっております。
このような課題に対応するため、決期デジタル化推進計画では、人材育成等をデジタル化の基礎条件における重要な項目の一つに位置づけており、今後も同計画に基づき本市のデジタル化を着実に推進してまいります。
5自治体DXについて
(2)オープンデータの利活用を促進するため、民間団体の育成や民間団体との連携をよりー層強化すべきではないか
(答弁要旨)
本市では、市政の透明性および市民協働の推進などを目的に、市民が利用できるオープンデータの推進と民間団体との連携に取り組んでまいりました。
具体的には、ICTやデザインの力で地域課題の解決を目指す任意団体Code for Akitaと連携し、竿燈まつりでの演技場所を検索できるWEBアプリ構築などの実例があります。
さらに、令和4年度からは、オープンデータに関する勉強会や意見交換会を開催し、ニーズの掘り起こしや庁内の調整に取り組んでおり、今後も引き続き、民間団体がデータを利活用できるよう環境を整えてまいります。
5自治体DXについて
(3)各コミュニティセンターの利用について、市民サービスセンターと同様に公共施設案内・予約システムで予約できるようにすべきと考えるがどうか
(答弁要旨)
公共施設案内・予約システムをコミュニティセンターに導入する場合には、運用に関して指定管理者との調整が必要となるほか、通信環境や機器等の整備など課題も多いことから、今後、調査・検討を行ってまいります。
6市民の主体的な活動の推進について
(1)「地域づくり組織」、「地区づくり組織」及び「町内会等」の三層構造を生かした住民自治活動の強化を図るため、市として何らかの支援を行うべきではないか
(答弁要旨)
本市では、市民サービスセンターを中心とした7地域において、住民自治の充実を目的とした地域づくり組織が設立されており、本市とともに市民サービスセンターの運営やまちづくり活動等に取り組んでおります。
こうした自治活動の取組に対しては、地域まちづくり推進事業によるまちづくりの実践や担い手の育成支援のほか、地域づくり交付金等により、町内会等、様々な団体の活動に対して助成を行ってきたところであります。
今後も、個性ある地域づくりや地域の課題解決に向けた取組を支援することで、市民協働・都市内地域分権を推進してまいります。
- 市民の主体的な活動の推進について
(2)町内会活動等の自治活動を安心安全に行える環境を整備することにより、活動に参加する住民が増加すると考えることから、ボランティア活動保険の保険料に対して補助を行ってはどうか
(答弁要旨)
本市では、市民総合賠償補償保険に加入しており、市主催、共催の事業に参加する市民のボランティア活動に対応しております。
また、町内会のレクリエーションや清掃活動などに係る保険料をはじめ、様々な活動経費に対して、使途を限定しない助成金を交付することで、自治活動の支援を行っているところであります。
7福祉行政について
(1)第4次秋田市地域福祉計画について
ア同計画の根幹をなす重点事業として掲げた「包括的支援体制の整備」及び「災害に備えた支え合いの地域づくり」の取組状況はどうか、また、今後の課題についてどのように捉えているのか
(答弁要旨)
「包括的支援体制の整備」につきましては、整備に関する取組指針を策定し、相談者を適切な機関につなげるよう相談窓ロ一覧を作成して各相談機関へ配布したほか、相談から関係機関への引継ぎまでのフロー図を作成し、連携方法を明確にするなどの取組を実施しております。
また、「災害に備えた支え合いの地域づくり」については、各地域で避難支援体制づくりに関する説明会を行ったほか、個別避難計画の作成を支援するとともに、優先度の高い方の計画の作成を進めております。
今後の課題については、昨年の豪雨災害における課題の検証結果を反映させるとともに、「災害ケースマネジメント」の取組を盛り込む必要があるものと考えております。
7福祉行政について
(1)第4次秋田市地域福祉計画について
イ 健康づくり・生きがいづくり支援事業について、これまでの成果と課題を踏まえ、今後、どのように取り組んでいくのか
(答弁要旨)
健康づくり・生きがいづくり支援事業については、地区社会福祉協議会を中心に令和4年度は179か所のサロンと、80回の軽スポーツ教室等が開催されており、高齢者の介護予防や孤立防止に効果があったものと認識しております。
一方で、コロナ禍により、サロン等の開催回数が減少していることが、課題であるものと捉えており、コロナ禍前の水準まで回復させることで、より多くの高齢者が身近な場所で健康づくりや介護予防活動ができるよう、継続して取り組んでまいります。
7福祉行政について
(2)社会保障給付の適正化・効率化のため、データ検証を行う団体と包括連携協定を締結し、予防医学分野におけるデータ検証を行ってはどうか
(答弁要旨)
本市では、健康寿命延伸を目的に、フレイル予防事業などを実施しており、集積したデータを分析・評価し、事業の質の向上に生かしております。
医療費等の社会保障給付費の分析については、市で保有するデータ数に限りがあることや、個人情報の取扱上の課題があるため、現段階において十分な分析はできておりません。
今後は先進事例について情報収集し、データ検証の手法について調査研究してまいります。
8 こどもまんなか社会の実現について
(1)社会の構造改革ともいえるこどもまんなか社会実現のためには、子どもや若者、子育て世代に優しい社会づくりのための意識改革が必要と考えるが、社会全体で子どもや子育て世代を応援する市民意識の醸成に向け、どのように取り組んでいくのか
(答弁要旨)
こどもや若者、子育て世代に優しい社会づくりのための意識改革には、社会全体が当事者として関わることが重要であると考えており、私自ら、こどもまんなか応援サポーターに就任したところであります。
今後も、地域社会と連携してこども若者施策に取り組むとともに、広く情報発信を行うなど、こどもまんなか社会の実現のための施策が身近なものに感じられるよう、市民意識の醸成に取り組んでまいります。
8こどもまんなか社会の実現について
(2)市職員が、週末里親や養育里親となるための里親研修に参加できるよう、年3日まで有給休暇を取得できる制度を導入してはどうか
(答弁要旨)
里親研修への参加について、年次有給休暇の取得ではなく特別休暇が取得できれば、里親を希望する職員への支援につながると考えるところでありますが、特別休暇の新設については、国、県および他の自治体などの動向に留意しながら研究してまいります。
8 こどもまんなか社会の実現について
(3) 県内にある4か所の児童養護施設のうち、規模の大きな2施設が本市にあることから、県と連携しながら、里親制度の普及啓発にカを入れてはどうか
(答弁要旨)
本市では、これまで里親制度の啓発グッズを各種事業等で配布しているほか、県と連携し、ポスター展の開催や、啓発イベントへのブース出展を行っております。
今後も、社会的養護が必要な子どもたちを家庭的な環境で養育できるよう、県と連携し里親制度の普及啓発に努めてまいります。
9環境政策について
(1) 脱炭素社会の実現について
ア 本市が「ゼロカーボンシティ宣言」を行ってから1年となるが、脱炭素社会の実現に向けて、これまでどのように取り組んできたのか、また、取組から見えてきた課題に対し、今後、どのように対応していくのか
(答弁要旨)
本市では、地球温暖化対策実行計画に基づき、再生可能エネルギー設備の導入や、市民行動の変容を促す取組、脱炭素に係る事業者向けセミナーの開催などの温室効果ガスの削減に資する取組を継続して実施してまいりました。
こうした取組を通じ、国や県と連携し、市民・事業者・市の三者協働のもと、地域一丸となって継続的に取り組むことが課題であると、改めて認識しているところであります。
今後は、2050年における本市のゼロカーボンシティの実現に向け、引き続きこれまでの取組を実施するほか、市民・事業者の意識の醸成や行動変容の促進に、より一層注力していくとともに、社会情勢の変化に対応した効果的な施策を検討してまいります。
9環境政策について
(2)生物多様性に配慮した魅力あるまちづくりについて
ア 本市も生物多様性自治体ネットワークへ参加してはどうか
イ 本市でもネイチャーポジティブ宣言をしてはどうか
(答弁要旨)
本市では、秋田県の「市町村連携生物多様性保全ネットワーク」に参加し、情報収集や情報交換等を行っているところであります。
また、生物多様性の損失を止め、自然を回復させる「ネイチャーポジティブ」実現のため、まずは、生物多様性が重要であることについての普及・啓発が肝要と考えております。
そのため本市では、「秋田市生物多様性地域戦略」を定めたほか、市内の全小学校への環境学習副読本の配布や環境学習講座の講師派遣などにより、将来を担う若い世代を中心に普及・啓発に努めているところであります。
こうしたことから現時点では、「生物多様性自治体ネットワーク」への参加や「ネイチャーポジティブ宣言」を行うことは考えておりませんが、引き続き、県のネットワークを通じ、情報収集に努めてまいります。
9環境政策について
(2) 生物多様性に配慮した魅力あるまちづくりについて
ウ 千秋公園を30by 30における自然共生サイトとして申請してはどうか
(答弁要旨)
千秋公園は、園内に豊かな緑地と水辺空間を有し、生物の生息場所となっているだけではなく、本市の歴史や文化を象徴する歴史的遺産であり、1年を通して多くの観光客が訪れる本市有数の観光資源として、また、中心市街地の賑わい拠点として位置付けられています。
このように、千秋公園は様々な役割を重層的に有している、本市にとって極めて重要な場所であります。
そのため、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」として国が認定する自然共生サイトへの認定の申請を検討する際は、園内の生物多様性を保全していく取組と、都市公園としての機能をはじめとする様々な役割との整合が図られる必要があると考えております。
このことから、現時点では自然共生サイトへの認定を申請する考えはありません。
9環境政策について
(3)安心安全に自然に触れる機会を創出するため、熊やカモシカ等が出没したエリアに近い公園等において、野生動物等の侵入を防止する電気柵や監視カメラ等を設置してはどうか
(答弁要旨)
電気柵等は、熊等の侵入を抑制する方法として効果的であるものの、整備と管理にかかる費用に課題があることや、利用者の安全を確保する観点から、設置は考えておりません。
現在、熊が出没しにくい環境にするため、草木の刈り払いによる緩衝帯を整備しており、引き統き、利用者の安全確保に努めてまいります。
9 環境政策について
(4)秋田市地球温暖化対策実行計画において、本市の役割として定めた温室効果ガスの排出抑制に係る率先した取組を実施するため、ペットボトルの水平リサイクルを行ってはどうか
(答弁要旨)
現在本市では、ペットボトルのリサイクルを国の指定法人である日本容器包装リサイクル協会に委託しております。
ペットボトルからペットボトルへリサイクルする水平リサイクルについては、飲料メーカーにおいて自主的な取組が進んでおり、温室効果ガス排出抑制等の観点から有効であると認識しておりますが、将来に渡り安定的・継続的なリサイクルを確保するため、その動向を見極める必要があると考えております。
今後は、先行自治体に聞き取り調査などを行い、メリット・デメリットを整理しながら、検討を進めてまいります。
9環境政策について
(5)市民の不安を払拭するため、毎年度行う環境調査の一環として、河川におけるネオニコチノイド系農薬の調査を実施してはどうか
(答弁要旨)
本市では、水質汚濁防止法に基づき、毎年度、河川において環境基本法で定める農薬等の環境基準項目の調査を実施し、人の健康等への影響を評価しております。
ネオニコチノイド系農薬は、環境基準項目として定められていないため、基準値等が設定されておらず、調査結果の評価ができないことから、現時点では調査を行う予定はございませんが、EUにおいて使用が規制されているほか、国内では水環境における知見の集積が必要な物質とされていることから、引き続き、国や専門機関の動向に注視し、環境基準項目として定められた場合は、速やかに調査を実施してまいります。
10洋上風力発電による産業振興について
(1)風車の大型部品を製造する海外企業を誘致するなど、インパクトのある新エネルギー関連の一大産業拠点づくりをしてはどうか
(答弁要旨)
今年度策定する秋田市新エネルギービジョンでは、洋上風力関連産業等の振興による経済と環境の好循環を目指すこととしております。
こうした中、ブレードやタワーなどの大型部品については、生産コストや品質確保等、克服すべき課題が多く、現状では海外からの調達に依存している状況と認識しております。
そのため、地元対応のニーズが高い部品・治具の製造や風車建設、メンテナンスなどの関連産業の振興に取り組みながら、大型部品や基幹部品の製造についても、企業誘致や地元企業の参入促進を図ることにより、新エネルギー関連産業の集積地づくりを進めてまいります。
10 洋上風力発電による産業振興について
(2)若者の様々なチャレンジや取組を支援するため、洋上風力発電事業者とマッチングさせる事業を行ってはどうか
(答弁要旨)
今後、県内において洋上風力発電事業が進む中で、若い世代が関連事業に関わることは、有意義なものと認識しております。
そのため、ビジネススタートアップ支援事業において、洋上風力発電事業者を講師とすることに加え、市と金融機関等が共同で設立するファンドを活用し、関連事業を資金面でサポートするなど、マッチング支援策の充実を図ってまいります。
また、新年度から実施する「あきた新エネルギーカレッジ」において、若い世代に風力発電の業務体験や現場見学をしてもらうなど、若者と事業者が結びつく機会を増やしてまいります。
8 こどもまんなか社会の実現について
(4) 冬季における子どもの公共の遊び場を確保するため、中央図書館明徳館の建て替えを行う際には、全天候型の遊戯施設や児童教育施設の機能を備えた図書館とすることを検討してはどうか
(答弁要旨)
中央図書館明徳館では、「かぞくぶっくぱっく」や「読書の記録帳」のほか、児童閲覧コーナーやフォンテ文庫など、子ども向けサービスの充実を図っているところであります。
明徳館については、現時点で、建て替えの予定はないことから、議員ご提案の件については、今後の参考とさせていただきます。
8 こどもまんなか社会の実現について
(5)登下校時の送迎による高校周辺の渋滞緩和や、小・中学生のバス通学を支援するため、シニアアキカと同様に1乗車につき100円で乗車できる学生向けの制度を導入してはどうか
(答弁要旨)
秋田市立小中学校においては、通学距離や、身体的状況により通学が困難と認められる児童生徒の保護者に対し、遠距離通学費の助成を行っております。
また、学校の統合によって、通学距離が長くなった児童生徒に対しては、スクールバスを運行するなど、必要な支援を行っているところであり、新たな制度の導入は考えておりません。
なお、高等学校への通学については、朝夕の時間帯に、より使いやすい公共交通となるよう、利便性向上に向けた各種取組を進めてまいります。
11 教育行政について
(1)教職員のメンタルヘルス不調への対策及び働き方改革の実態と今後の対応はどうか
(答弁要旨)
本市においては、日頃から教職員が悩みを相談しやすい職場づくりに取り組むとともに、全教職員を対象にストレスチェックを毎年実施し、心身の不調に自ら気づき、産業医に相談できる体制を整えております。
また、働き方改革については、学校行事や諸会議の精選、ICTの活用などによる業務の見直しに取り組むとともに、サポーター等の人材を活用して、業務負担の軽減を図っているところであります。
今後も、教員の定数改善や支援員等の配置拡充を、国や県に働きかけるなど、さらなる働き方改革に努めてまいります。
11 教育行政について
(2)こどもまんなか社会の理念を学校教育施策において、どのように反映していくべきと考えているのか
(答弁要旨)
本市では、学校が、安心感のある人間関係の中で自分らしさを発揮し、自らの成長や、他者と共に学ぶ喜びや感動を味わえる場となるよう、共感的な人間関係をはぐくむ集団づくりや、自己有用感や充実感を感じる授業づくりに取り組んでおり、こうしたことは、子どもの幸せを第一に考え、子どもの最善の利益を尊重する「こどもまんなか社会」の理念に沿うものであると考えております。
今後も、子どものウェルビーイングの視点から日々の教育活動を見直し、家庭、地域と一体となって、すべての子どもたちの健やかな成長を支える学校教育の充実に努めてまいります。