260317 賛成討論全文(令和8年2月議会)

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賛成の立場から討論を行いましたので、討論の全文を以下に掲載します。

 会派そうせいと維新の菊地格夫です。会派を代表して、議案第2号令和8年度秋田市一般会計予算の件について、賛成の立場から意見を申し上げます。

 令和8年度一般会計予算案は、沼谷市長ご就任後初の本格予算であります。市長の理念と想い、そして本市の未来に対する明確なビジョンが色濃く滲む予算案であり、言わば、「歳出入改革」と「プラスの循環戦略」のふたつの言葉に象徴される予算と捉えております。

 本市を取り巻く財政環境は、依然として厳しい状況にあります。加えて、歳入の大幅減による財政規模の縮小という、極めて厳しい局面での予算編成となりました。しかしながら、こうした逆風の中にあっても、市長は、ゼロベースで聖域なき徹底した行財政改革を断行するとともに、市民福祉の向上に全力で取り組む姿勢を鮮明にされました。その覚悟と決断が、本予算案の随所に表れていると捉えております。

 注目すべきは、歳入歳出改革に覚悟とスピード感をもって取り組み、「財政の健全性の向上」と「財政基盤の強化」に向けて大きく踏み出したことであります。

 第一に、市債や基金に頼る財政運営からの脱却です。これまで本市の財政運営における最大の課題は、恒常的な収支不足、それに伴う主要2基金の先細りと市債残高の累積でありました。健全かつ安定的財政基盤を確保するためにも、基金等に依存しない持続可能な財政構造への転換が不可欠であり、その方向性が示されたことは、大いに評価できます。

 第二に、行政経営会議のあり方を抜本的に改め、スクラップ・アンド・ビルドや評価指標の可視化の徹底などによる事業見直しを進め、計118事業の廃止・見直しを図られました。本市がかつて先進的に取り組んできた「行政棚卸し」の精神が、現代の行政課題に即した形で蘇り、実を結んだものと受け止めております。既存事業の聖域なき見直しは、政治的にも困難を伴う決断であります。そして、限られた財源で質の高い市民サービスを展開するための、また、歳入に見合った歳出への構造改革としての苦渋の決断でもあることを、私たちは理解しております。

 第三に、組織改編として財政部が新設されました。財政ガバナンスの司令塔機能を強化し、全庁的な財政規律の確保と戦略的な財源配分を実現するための体制整備であり、今後、財政ガバナンスがより的確に機能することを大いに期待するものであります。

 また、本予算案は、第15次秋田市総合計画のスタートを飾る予算でもあります。新たな展望に立つ秋田市の未来図として「秋田市『プラスの循環』プラン」が策定されました。

 プラスの循環社会の実現を図るため、5つの戦略が打ち立てられていますが、初年度予算においては、「稼ぐ」ための環境づくりを図るため、戦略1「地域産業の活力を高め、働きがいのあるしごとの場をつくる」および戦略2「まちの魅力を高め、秋田市への新しいひとの流れをつくる」政策に重点投資するなど、極めて戦略的な予算配分となっております。循環を生み出すためには、まず経済の活性化によって「稼ぐ力」を高めることが先決であるという、明確な優先順位が示されています。

 さらに、喫緊の課題である防災・減災対策やクマ対策の強化をはじめ、地域経済の活性化と雇用対策、子育て支援など、市民が切実に求めている分野に、限られた財源が効果的に配分されております。市民ニーズを的確に捉えた新規事業を組み込むなど、メリハリの効いた予算編成がなされたものと捉えております。

 さて、本予算の適正な執行を期する見地から、特段の配慮をいただきたい点について、以下、申し上げます。

 1つ目に、行政改革大綱と予算執行方針との連動・連携、そしてコスト意識に立つ市政運営についてであります。行政改革は、計画を策定することが目的ではなく、それを着実に実行し、成果を上げることこそが重要です。行政改革大綱に掲げた取り組みが、予算執行の現場において確実に実践されるよう、両者の連動・連携を徹底していただきたい。また、職員一人ひとりがコスト意識を持ち、限られた財源を最大限有効に活用するという意識改革を、全庁的に推進していただきたい。
 2つ目に、市民・議会への説明責任を積極的かつ適切に果たすこと、そしてそのプロセスのあり方へのさらなる配慮であります。透明性の高い行財政運営は、市民の信頼を得るための大前提であります。事業見直しをはじめ、政策決定の過程、事業評価の結果、予算執行の状況など、市民や議会に対して、分かりやすく、タイムリーに情報提供を行っていただくことを求めます。また、市民や議会からの意見を真摯に受け止め、政策に反映させるというプロセスそのものにも、より一層の配意をいただきたい。
 3つ目に、プラスの循環社会づくりの土台となる「共創」の環境づくりへの、全庁的な取り組み、であります。プラスの循環社会は、行政だけで実現できるものではありません。市民、企業、NPO、教育機関など、多様な主体が、それぞれの強みを活かし、協働してまちづくりに取り組む「共創」の環境が不可欠です。市民協働を推進するための仕組みづくり、情報共有のプラットフォームの整備、多様な主体が参画しやすい環境の整備など、「共創」の土台づくりに、全庁を挙げて取り組まれることを強く要望いたします。
 4つ目に、生成AIをはじめとする技術革新を、市政発展の原動力として積極的に活用すること、であります。私たちは今、かつて2025年がプレシンギュラリティ、すなわち技術的特異点の前段階と言われていた、まさにその時代に立っています。生成AIの進化、あるいは成長とも言うべきその速度は、私たちの想像を遥かに超えるものがあります。わずか1年余りの間に、生成AIは飛躍的な性能向上を遂げ、その活用範囲も急速に拡大しています。市職員一人ひとりが、この歴史的な技術革新の只中にいることを深く理解し、生成AIを単なる業務の効率化ツールとして捉えるのではなく、政策提案、事業のモニタリング、事業見直しといった行政活動の核心部分にまで活用する必要がある時期に来ていることを認識していただきたい。
 5つ目に、本市を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあることから、効率的な予算執行に努めるとともに、必要な財源の確保や財政の健全化と行政改革の着実な進展を図り、市民福祉の向上に注力されるよう切望いたします。また、社会経済情勢の変化に機動的に対応し、必要に応じて補正予算による対応も躊躇なく行っていただきたい。

 なお、以上のほか、審査過程において我が会派の議員が述べた意見を尊重され、業務を執行されるよう要望します。 全庁を上げたプラスの循環への力強い歩みに期待いたし、賛成討論といたします。

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